共生型サービスの大きな魅力として挙げられるのは、介護福祉サービスが必要なたくさんの人のケアを、少なめのスタッフ数で対応できる点だと言えます。まだまだ課題やリスク、懸念事項などがあるのは事実ですが、社会全体から必要とされていることも確かです。共生型サービスでは、介護と障害福祉という二つの運営基準を満たした介護保険サービスや障害福祉事業所において、高齢者と障害者の両方の受け入れが可能になります。これまでの介護や障害福祉の現場の実態を考えれば、極めて画期的な取り組みとして関係者からの期待の声は大きいようです。
共生型サービスが生まれることになった背景には、多くの介護施設や障害福祉施設などで深刻化する人手不足の状況があることはいうまでもないでしょう。これまでも双方のサービスを一体化すべきという意見がありましたが、制度面や財政上の問題などもあり、なかなか合意には至らなかったのです。しかし、所轄する厚生労働省の後押しもあり、新たな形でサービスがスタートすることになりました。
いざ、共生型サービスがスタートしたことで、たくさんのメリットが生まれました。その一方で、課題や改善点などのデメリットもやはり浮き彫りになり始めています。子どもと高齢者が同じ場所で過ごすことで、双方にとって良い刺激があるという意見も見られる反面、一部の高齢者の意見は「子どもたちの騒ぎ声がうるさい」という否定的な見方もあるようです。このように、順風満帆とは行かなくても、これまでよりも少ない人員で施設運営が切り盛りできるというメリットもあり、これからの取り組みに期待が寄せられているサービスです。